そして地中海。 DAY5 [クルーズ]
5日目の寄港地はトルコ ( Turkey ) のイズミル ( Izmir )。
海に面した、トルコで三番目に大きな都市で、大規模な港湾施設があります。
港もヨーロッパのリゾートという風情はなく、周りには倉庫や山積みになった
コンテナがあるのみ。
あまりトルコに来たという実感がわきません。
そんなイズミルに来るのをとても楽しみにしていました。
なぜなら、エフェソス ( Ephesos) という遺跡を是非見たかったから。
エフェソス ( Ephesos) はギリシャ人によって造られた、アルテミス信仰で有名な古代都市です。
後にローマ帝国の支配下に入り、その時期に大地震にあって崩壊し、その後ローマ帝国によって
再興されたという歴史を持ちます。
イズミルの港からはツアー・バスで1時間弱。
わくわくしながら遺跡の入口でバスを降りると、とにかく暑い!
さすがトルコ。
ガイドブック等で、日焼け対策と水分補強は万全にと書かれていたので、準備万端でしたが、
それでも耐えきれない程の暑さ。
奥の手として持っていった黒の日傘を、とうとうさしてしまいました。
西洋人には日傘、特に黒い色の物は奇異に写るらしく、前に旅行先で
日傘をさして歩いていたら、マイケル・ジャクソンと言われた事があったので、
それ以降、使わないようにしていたのですが、背に腹は替えられません。
何とでも言ってくれー。
日傘をさしながら入場ゲートを抜けると、正面に大きな3連のアーチが見えてきました。
ヴァリウスのローマ式浴場跡 ( Bath of Varius ) です。
ハドリアヌスの神殿 ( Temple of Hadrian ) 。
第14代ローマ皇帝ハドリアヌスに献上された神殿。
アーチ型の美しい門には凝った彫刻がなされています。
これ、何だかわかりますか?
古今東西・老若男女すべての人々に必要とされるもの ( 多分 ) 、トイレです。
並んで座って、世間話などをし、用を足した人から、じゃあお先に! って帰ったんでしょうか?
今とはずいぶん感覚が違いますね。
女神のレリーフ。
この女神の名前はニーケー。
パリのルーブル博物館にある有名な彫像、サモトラケのニーケーと同一です。
英語で表記するとNIKEで発音はナイキ。
ん、どこかで聞いたことがあるような・・・。
そう、あのナイキ社の名前はここから来ているのです。
アルファベットの J のようなナイキ社のシンボル・マークは、女神の翼を象徴しているそうです。
かつては商店街だったクレティス通り ( Curetes Street )。
今ではお店もないのにご覧の通りの黒山の人だかり。
蔵書1万冊を超えたといわれるセルシウス図書館 ( Celsus Library )。
下から見上げれば屋根の裏側にまで凝った細工が施してあります。
2万5千人収容可能な大劇場。
せっかくなので一番上の席まで行ってみました。
劇場の上からは、劇場に向ってまっすぐにのびる大通りとその先の山々を見渡す事が出来ます。
機械のない時代に、何もない場所にこんな立派な劇場を造り上げてしまったローマ帝国。
ただ、ただ尊敬します。
遺跡の出口にあった、本物の偽物の時計 ( Genuine Fake Watches ) のお店。
本物の偽物って???
偽物の中の偽物、キング・オブ・ザ・偽物というところでしょうか。
遺跡見学のあとは、特産品の、カーペットの織子の養成所に行きました。
最初に蚕の繭から絹糸をとる方法を説明してもらいます。
繭をゆで、ほぐれてきた糸を掬いあげて糸繰り機でまとめ、丈夫な太い糸を
作り上げるそうです。
案内してくれた男性は、「中国では生きた蚕の繭をそのままゆでて絹糸を取るが、
自分達は最初に蒸してから茹でるので、生きたまま茹でているわけではない。
もう既に死んでしまった蚕の繭を茹でているので残酷ではありません。」と言っていましたが、
手順がちょっと違うだけで、結局やっている事は同じなような・・・?
と心の中でツッコんでしまったのは私だけでしょうか。
ベテランの織子さん。
鮮やかな手つきで、着々とカーペットを仕上げて行きます。
手の込んだ製作過程を見ると、カーペットの値段が張るのにも納得がいきます。
見学とはいうものの、やはりあちらとしては販売が目的なので、見学の後には
小部屋に案内され、見本市が行われます。
床の上に次々と広げられるカーペット。
百花繚乱。
最後に個別商談の時間になりましたが、勧められたら断れそうにないので、早々に外に出ました。
君子危うきに近寄らず!?
養成所を後にし、船に戻ります。
計6時間弱のツアーでした。
遺跡は見ごたえがあり、カーペット養成所も、個人ではまず行かないので、いい機会でした。
絹糸とカーペットを作る過程を見る事ができ、面白かったです。
欲を言えば、カーペットじゃなくて遺跡をもう少しじっくり見たかったな。
でもまぁ、よしとしよう。
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