トライベッカ・フィルム・フェスティバル・オープニング [マンハッタンで観る・聴く]
ようやくマンハッタンでも色々な花が咲き始めました。
まだまだ寒いですが、春の兆し。
嬉しいです。
毎年この時期には、マンハッタンのトライベッカという地区を中心とした
トライベッカ・フィルム・フェスティバル( Tribeca Film Festival ) という
映画祭が行われます。
期間中は付近の映画館での新作映画の上映や俳優や監督を招いての講演会が行われます。
こちらのイベント、同時多発テロ発生後に人が寄り付かなくなってしまった
トライベッカ地区を含むロウアー・マンハッタンに活気を取り戻そうと始まったもの。
同地区出身の俳優、ロバート・デニーロらが発起人となり、今年で10周年を迎えます。
今年はオープニングに、無料のエルトン・ジョンのコンサートが開かれると聞き、
前々から楽しみにしていました。
ウェブ・サイトでは、コンサートの詳細は説明されておらず、
当日指定の場所に入場券代わりのリスト・バンドを貰いに行くと
詳細が分かると記載されていました。
と、いうわけで当日リスト・バンドを貰いに行きました。
配布予定は午後4時からだったので、1時間前に指定場所に到着。
見た所、あまり人も並んでおらず、「楽勝ね~おっほっほっ。」と思っていたのですが・・・
配布が始まり列が進んで角を曲がると、そこには長蛇の列が・・・。
甘かった~ !
何とかリスト・バンドを貰い外に出ると、建物の外の行列はさらに伸びていて、
次々と人がやって来ては並びはじめていました。
こちらがリスト・バンドと案内状。
リスト・バンドを貰った時点で、午後4時半。
案内状によると、開場は午後5時で日没後の午後8時すぎから
最初にエルトン・ジョンのドキュメンタリー・フィルム、
続いてコンサートが行われるとの事でした。
さすがに3時間以上も会場で時間をつぶす気にはなれず、
会場も自宅から近かったので、一旦家に帰る事にしました。
案内状によると、座席はリスト・バンドの色毎に5つのブロックに分けられていて、
そのブロック内は先着順。
私の貰った青色のバンドのブロックはステージから一番遠い場所でしたが、
もう少し並ぶのが遅かったら立ち見のブロック ( 案内状の白い色と黒い色の部分 )
になっていたので、ぎりぎりセーフでした。
リスト・バンドを貰いに行った時には暑い位だったので薄着で外に出ましたが、
結構寒かったのであわてて自宅に戻り、厚手のコートに着替え、
念の為携帯用座布団や膝かけ、使い捨てカイロなども用意して、
午後6時15分ごろに会場に到着。
まだまだ日も高く、ブロック内の座席も沢山空いていて選び放題。
雑誌を読んだりして時間を潰していると、午後7時ごろから
ジャグラー達が芸を披露しながら座席の間を廻り始めました。
でも、始まるまでまだ1時間以上。
先は長い・・・。
そうこうしているうちに、だんだん日が傾いてきて座席も埋まってきました。
この日の会場は、バッテリー・パーク・シティーにある
ワールド・ファイナンシャル・センター前の広場。
広場はハドソン川に面していて、小さなヨット・ハーバーがあります。
繋留された船にはワイン・グラス片手にこの日のイベントを楽しもうというスーツ姿の男女の姿が・・・。
う~ん、羨ましい・・・。
天候不順が続いていましたが、この日は珍しくお天気が良く、夕焼けを見る事が出来ました。
ワールド・ファイナンシャル・センターを見上げると・・・
バルコニーにも見物人が出て開始を待っていました。
日が暮れるといよいよフェスティバルの始まりです。
事務局の挨拶に続いて、なんと、いきなり映画監督のマーティン・スコセッシ
が壇上に上がり、挨拶を始めました。
突然の登場にあわわと驚いて写真を撮るのに夢中になってしまい、
氏が何を喋ったのか覚えていません。
滅多にない( いや、もう二度とない ) 機会だったのに・・・間抜けだ・・・。
そして映画が始まりました。
ザ・ユニオン ( The Union ) というこちらの映画、エルトン・ジョンとレオン・ラッセルが
共同で同タイトルのアルバムを制作した時のドキュメンタリー・フィルムです。
どちらかと言えばコンサート目当てで、映画には興味がなかったのですが、
いざ映画を見始めると面白く、あっという間に上映時間の90分が終わりました。
続いて、エルトン・ジョンのコンサートが始まりました。
この頃になるとかなり気温が下がり、みんな震えていましたが、エルトン・ジョンが壇上に現れると
観客が総立ちになり、会場内のテンションが急上昇しました。
「みんな寒い中、僕の歌を聴いてくれてありがとう。」と観客を気遣いつつ、熱唱するエルトン・ジョン。
いい人です。
最後は名曲、Your Song をしっとりと歌い上げて締めくくりました。
演奏が終わったあと、熱狂的な拍手を送る観客達。
エルトン・ジョンが壇を下りても、しばらく拍手は鳴りやみませんでした。
帰り際に撮った、エルトン・ジョンが弾いていたピアノ。
初めて生で聴いたエルトン・ジョンの歌声は本当に素晴らしかったです。
結局、全部終わって家に帰り着いたのは午後11時すぎ。
ちょっと寒かったけれど、いいものを観・聴いた充実した一日でした。